PIGMENT

20160420-06
ピグモンと読みます。フランス語読みです。顔料のことを言います。
PIGMENTさんは、天王洲アイルにある日本画の材料を扱っているお店です。

お寺の修繕に伴い備品の修理を担当するので、素晴らしい書の数々の色づけ材料を探しに行きました。

 

20160420-10
こちらは博物館としても機能しています。
内装は建築家・隈研吾氏が手がけました。

竹細工がとても心地が良く、お庭も可愛い、多方面から楽しめるよう考え抜かれ、手抜きがありません。
こちらは美術品の倉庫業や不動産業を営まれている寺田倉庫さん一部で、
この場所自体が美術品のようです。

 

20160420-09
この丸の中には映像が流れていて、夜になるととても映えます。
奥にハケが見えますね?
ハケには機能美があります。
使いやすいカタチがそのまま美しさになりました。
私はそういうモノが大好きです。

 

20160420-11
春なのでお花をパチリですが、ハーブがふんだんにあしらわれたお庭です。
外を歩く人々を楽しませる気遣いもニクイこと。
店内にも驚かせる趣向を盛り込んでいます。

 

20160420-01
こちらは、膠(にかわ)の標本です。
社長さんは膠の博士でもいらっしゃいます。
まるで琥珀を見るような美しさ。
顔料に油を混ぜると油絵になり、顔料に膠を混ぜると日本画になります。
だから、膠によっても出す色が変わりますよね。

 

20160420-02
4,200色以上もある顔料。
見ているだけで幸せです。
ここで扱う顔料はより選った天然素材ばかりです。

貝によって作られる白を胡粉(ごふん)と言います。
上質の胡粉は天然ガキのイタボガキで作られますが、環境破壊や水質汚染のために絶滅危惧種になりました。
残り少ない材料もこちらではまだ入手可能で、専門家にとっても貴重な場所です。

朱という色ご存知ですよね?
日本を代表する色、しゅしょくとも呼ばれますが、水銀が使われています。
硫化水銀(水銀朱)と言い、水俣病を起こしたメチル水銀とは違います。
漆の朱にも使われてますが、縄文以来から未だに問題は起こっていません。
でも同じ水銀朱のバーミリオンという絵具は既に市場から消えてしまいました。
そして今、日本の代表色も危うい状況です。

実は色って、時代に非常に影響されています。
材料がないものはもう作れません。

男性なら車の色だと想像しやすいでしょうか?
塗料も顔料で作られます。
昔の車の色は私も好きですが、あれも時代の色なんですよね。

 

20160420-03
たくさんの墨や硯もありますので、書家の方もいらっしゃいます。
墨絵は黒の濃淡だけで表現する世界なだけに、奥が深い。

墨も硯もやはり中国の物が多くなりますが、国内でも文化革命以降は良いものが手に入らなくなっています。
こちらのお店の貴重な硯を買いに来られる中国の方も多いそう。

日本の硯職人さんはかなり貴重な存在になりました。
川の石より作られますので、お水につけておくのがホントの流儀。
黒だけではなく、赤味がかっていたり、緑味だったり、グレーだったり、堅かったり、柔らかかったり、産地によっての違いも興味深いです。

 

20160420-04
手前は砂子筒を言います。
金箔・銀箔を使った後に出るクズなどを、筒に入れて振りかけのようにして使います。
絵に豪華さが加わります。
小さな金箔が散りばめられた絵を見たこと、ありますよね?

 

20160420-05
奥にあるワークスペース。
スペシャリストが登壇するトークショーや、日本画教室、場所をレンタルして仕上げが出来る、多目的スペースです。

 

20160420-07
紙も枠もいっぱいあります。
紙の世界はまたまた深いですよね。
見ているだけでも想像力がかき立てられます。

 

20160420-12
この水玉を使おうと思います。
墨黒に良く似合う銀紙に一目惚れ。
元は屏風用ですが、結局何に使っても良いのです。
私はコーディネイトしたり、材料の用意なので、”しつらえ”をする役目です。
加工は専門家にお任せします。

 

20160420-08
実はこちらも海外の方向けに、見せ方やHpが作られています。
日本人のお客さまは日本画を描かれる方がほとんどですが、
海外の方が、この筆、この色の為にわざわざ足を運ばれる場所でもあります。

でも、全く敷居は高くありません。
たくさんの日本人のお客さまを待っています。
日本画を描かなくても、素敵だなと思ったら行ってみて下さい。

画材の研究で博士号を取得され、自らも作家さんであるスタッフさん達が色んなことを教えてくれるので、どんな方でも楽しいひとときを過ごせます。

天王洲アイルはオフィス街なので、他に見るところは思いつきませんが、こちらの経営するカフェやレストランも素敵なので、ここを目当てに、美術鑑賞のつもりで出かけてみて下さい。

そして瓶に詰められた顔料の、濃淡の織りなすグラデーションにうっとりして下さい。

こんなにたくさんの違う石があるんだな〜と思った方、是非お店の方に聞いてみて下さい。
へぇ、そうなんだぁ~ってきっと思います。笑

 

 

COLOSSAL

ハーバード美術館のシュトラウス・センターには、最も貴重な500の顔料が収蔵されています。古代の材料を探し、そのももの持つ色の研究をしています。
瓶が揃っていないところがまた素敵。

A Vault of Color: A Peek Inside Harvard’s Collection of 2,500 Pigments

Harvard’s Colorful Library Filled With 2,500 Pigments Collected from Around the World

広告